Happy Ever After

口が裂けても言えっこないよ…






 クラウドにとって、俺はセシルやティーダと同レベルの存在……つまり、友達なんだろうな。

 でも俺は、仲間達を見るのと同じようにおまえを見られない。



 おまえと初めて会ったとき、女の子じゃないかと思った。それも、俺の好みの女の子。
 ハニーブロンドの髪が白い肌に掛かり、憂わしげなマリンブルーの瞳を少し隠す。程よい弾力のある唇は、ほんのり色付いていて……上玉の女の子だと思ったんだよ。

 ……まぁ、その後すぐにおまえの声を聞いて、それが誤解だと気付いたんだけど。


 おかしいよなぁ、俺、おまえが女じゃないと知ったのに、今でもどきどきしている。おまえを見ると、意識してしまう。


 おまえをじっと見ている俺の様子を観察していたセシルが、

「フリオニール、まるで恋してるみたいだね」

 と言ったとき、ずきりと胸が痛んだんだ。



 ――間違いない、俺、クラウド……同性に恋している。



 同じ性を持つものに恋するなんて、変じゃないか。
 クラウド、俺、どうしたらいいんだよ。苦しいんだよ、ほんとに。



 ――そう言えたらいいのに、口が裂けても言えっこない。



 ずっと自分の気持ちを持て余して、俺はクラウドを見つめてる。





 ――そんな俺の気持ちを、クラウドが気付いていたとは知らずに。


 

-Powered by HTML DWARF-